一、事業の目的・意義を明確にする

そういう檄を飛ばして、寄せ集めの外人部隊を結集してきました。つまり十二ケ条の一番目にある「公明正大で大義名分のある高い目的を立てる」ということを通じて、私は会社全体を引っ張っていったのです。
この第二電電のような高邁な目的までいかなくても結構です。京セラの場合には、この会社に住んでいる人たちを幸せにしてあげたいという、単純でプリミテイプなものでした。しかし、それは原始的なもののように見えますけれども、たいへん強い力を持っているのです。たとえば、働きの悪い従業員がいれば、「私はあなたのために、この会社を必死に経営しているのだ。なのに、なぜあなたはそんなに悠然としていられるのだ。君も一生懸命に働いてくれ。私も会社のために、君のために、これだけ一生懸命に働いているではないか」と檄を飛ばすことができるわけです。